10年勤めた会社を休職して、駐在員の妻として海外生活をしています。
「会社員ってなんでキャリアに悩むタイミングが多いんだ!」とあらためて痛感しますね。
もともとキャリア志向が強い私ですが、キャリア中断とも言われる休職の決断をして、慣れない海外生活を始めたことに前向きでいられるまでに考えたことをまとめてみました。
会社員だけではないと思いますが、組織の中にいると特に昇格や同僚と比べてしまい、心が揺らぐことが多いのが会社員ではないでしょうか。
30代でようやく結婚相手を見つけたと思った途端、過去絶好調だったキャリアと、自分の人生を天秤にかけなければいけないくなった。その時「神様のいじわる」を感じました(笑)。
ですが会社で仕事をしている以上、キャリアに悩むのはしかたがないかな、と今は開き直ってます。
色々と考えた結果、キャリアの悩みの向き合い方は自分の考え方でいかようにも対処できると知りました。
目次
休職前キャリアアップとともに、私には「お休み」が必要だった
私はとにかくキャリア志向が強く、仕事を何よりも優先させてきました。
とにかく仕事人間で念願の昇給や昇格はしましたが、それと同時に休む時間が必要不可欠だったのです。
24歳で大学院を卒業してから、いまの会社に勤めて9年。社会人1年目~3年目くらいまでは、仕事が楽しいというよりも、給料をもらうために仕事をするという感覚の方が強かった。
アパレルの販売という仕事上人と接することが多く、その間だけは仕事のキツさを忘れられました。
仕事が楽しいと感じるようになり仕事に生きたいと考え始めたのは、徐々に仕事ができるようになってきた3年目くらいからでした。
実はその3年目〜会社を休職するまで、仕事をあまりにも優先しすぎて自分を見失っていました。
お客様と楽しく話すのを目標にしていたら、お客様が次々に私から商品を買ってくれるようになり、気が付いたらあれよあれよと成績不振の私が仕事ができるようになり、昇進していました。
その後から仕事に精神を傾け続けた結果、大学院の時の専門知識を活かせる部署へ異動希望が叶いました。
うちの会社はジョブローテーションが基本なので、配置転換はよく起こります。しかも、今までの経験とは関係ない職種への異動も普通です。
私の場合数年離れていたとはいえ、専門にまで選んだ大好きな分野の仕事が始まり、仕事が楽しいに拍車がかかりました。
しかしその1年後に主任試験に合格するまでは…
実は昇進して主任代理になった時から仕事がキツすぎて、精神的に少し病みかけていた時期があります。
仕事自体は好きでしたが、成果を出さなければ…、私がやらなければ…と言うプレッシャーに完全に頑張りすぎてしまい、会社に行く前に家の玄関で涙ぐむ、家を出ようとすると下痢に襲われる、と不調だらけになっていました。
自分が一生懸命だった時はわからなかったですが、当時付き合っていた夫に何度となく仕事のやり方をいなされるようになり、だいぶきつい状況が続いていたようです。
今振り返っても、この時そのまま仕事を続けていたら…と思うとゾッとします。
私には確実に、仕事を休む期間が遅かれ早かれ必要だったのです。
開き直るまでに、かなり悩むこともあった
精神的にも体力的にも限界だった私をみかねて、夫がプロポーズしてくれて、一緒に住むことを提案してくれました。
正直プロポーズを受けた時、「ようやく仕事を休める」とホッとしていた自分もいました。薄々このまま続けたら、自分はダメになるかも…と思っていたんでしょうね(笑)。
でも何が起こるか分からないのが、人生。
休職する時期まで伝えていたのに、人事異動で5名の部下がいるチームの主任に正式に昇格してしまい、私のキャリア志向にまた火がついてしまったんです。
休職する予定だとわかっていても職位に就かせていただいた会社や上司には、とても感謝しています。
チームを管理する立場になってからは、部下の相談や他部署や関係会社との調整役、スケジュール管理がメイン業務になったことで、自分の苦手だった仕事は全てやらなくてよくなりました。
主任の仕事が始まってからは得意な仕事や相談を受けることが増え、仕事楽しい!!!という感覚も再燃。
海外赴任で帯同するから休職することは決まっていたけれど、正直ギリギリまでちょっと迷っていました。
自分が精神が病みかけていた、なんて喉元過ぎればでなんのその(笑)。
「苦労してキャリアアップして、お給料も上がったのに、今休職はもったいないかも…」
「もし自分がいなくなったら、他の人にポストを取られてしまうかも…」
人一倍プライドが高いですが、仕事の質も一番になるのを目指して来た自負があり、自分が同期や後輩から遅れを取るのも嫌でモヤモヤ。
その度に仕事をする楽しさや充実感、達成感を噛み締めて、今さら海外赴任に帯同しないなんて言えないし…と、ただ休職の日は迫ってくる、そんな感じでした。
仕事を休む?続ける?開き直りは突然に
もう海外赴任の帯同の3ヶ月前くらいまで、本当にこれでいいのか?、と迷っていました。
でもあることがきっかけで未来に起こることはわからない。それなら仕事を続けても休んでも未来がどうなるかわからないなら、同じではないか?と考えたら開き直ることができたんです。
その出来事は会社の研修で「30年後の未来を見据えてビジネスを考える」がテーマのワークショップで起こりました。
30年後の未来を予測して、会社の方向性を考えるグループワークの中でした。
「30年後の社会がどうなってるかなんて、全然想像つかないな…」
会社の経営層も含めて、会場にいた30人くらいが同じ結論に達していました。
その時、ふっと思ったんです。
数年後の会社の状況ってどうなっているんだろう?
「異動が多い会社で、復職前のメンバーが残っているのか?」
「海外赴任の帯同から帰って来ても、今所属する部署はあるのか?」
「復職して、同じ職場に戻っても、必要とされる仕事は同じなのか?」
いや、そんなのわからないな!
将来が今考えてわからないなら、自分がやろうとしていることの結果もわからないじゃないか!!
キャリア中断の時間は過ごし方で「空白」ではなくなる
もちろん会社を休むことでキャリアの中断にはなるかもしれません。その事実は変わりません。
でも休職後にパワーアップしていたら、休職した時間は空白でもなんでもないのでは、と思いませんか?
今まで仕事の苦労が会社の中で蓄積されて評価されるから、今の自分の立ち位置に繋がっていると考えてました。
もしキャリアを中断したら、すべてがリセットされてしまうんじゃないか…そんな不安がいっぱいあったし、今もうっすら不安はあります。
でも、本当にそうなのかな?と、悩む度に自問自答しています。プライベートでの経験って、仕事に活かせないのか?
いや、そんなことは多分ないでしょう。
プライベートの経験が仕事につながらない、と思っているのは単なる思い込みだと思います。
休職はキャリアを中断することであり「空白の時間」と思いがちですが、私は違うと思います。
プライベートでも仕事と同じくらい、もしくはそれ以上の貴重な経験をしているのに、その経験に価値がなくなってしまう、なんて有り得ないからです。
会社員は、毎日同じ時間、同じ場所から電車に乗って、同じような仕事をして、帰って寝るの繰り返し。そんな人はたくさんいるし、単調な生活から抜け出したいと思っている人も多い。
やりたくてもできない人が多い中、自分は繰り返しの生活から抜け出せるチャンスがやって来たと思えば、少し前向きに休職を捉えられると思いませんか?
私は休職して中国へ来て会社員の時にはなかった発見や自分の考え、スキルの変化を感じています。
もちろん復帰してから経験を仕事に活かしたいと思っているから、毎日新しいこと、興味を持ったことにも挑戦できている今があります。
休職の期間は決して空白の期間や、仕事のブランクではありません。
むしろ会社員で働いている同僚たちと別の経験を積んで、別のところでキャリアアップしている期間を目指せば、きっと意味のある駐在妻生活になると思います。
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