これから海外赴任の帯同を控えている、また海外駐在員の妻(駐在妻)になりたては、駐在妻ヒエラルキーや日本人会、奥様会など、ネットで検索して不安になっている人も多いと思います。
駐在妻に関しては良くも悪くも色々な噂、実態が暴露されているので、自分にはそんな人たちと合うんだろうか、と漠然とちょっと怖い気持ちになっていませんか?
この記事では駐在妻として中国に帯同してからほぼ単独行動をしている私の状況と、一人で行動する駐在妻生活のメリット、デメリットを考えてみました。
特に集団行動やグループで行動する人が苦手だから単独行動したいけど…と考えている方には参考にしていただけると思います。
目次
グループ行動になりやすい駐在妻の世界で単独行動は可能?
ネットを検索すると黒い噂も白い噂も出てくる駐在妻の世界ですが、海外では同郷の日本人同士は狭いコミュニティなので、集団行動はどうしても仕方がないことです。
私が帯同している国ではグループもいれば単独の人もいる、と印象なので必ずしもグループに所属する必要もないのかな、と個人的には考えています。
グループになるのは同じ会社で複数の駐在員がいる、日本人学校に通う子どもがいる場合が多いように感じます。
逆を言うと私のように、
- 子どもがいない
- 夫の会社で他の帯同者がいない
- 語学レッスンが個人で受けられる
といった状況の人であれば、単独行動は可能です。
特に子どもがいない人、夫の会社で他に帯同家族がいない場合、他の家庭や駐在妻と関わる機会がなく単独行動になりやすいでしょう。
私の場合も帯同後に知り合った方はほぼ単独行動が中心で、グループの方と関わる機会はほとんどありません。
1度通っている語学学校のイベントに参加しましたが、既に駐在が長い人たち同士でグループが決まっているようでした。
なのでグループに繋がる人と知り合わない限り、グループに入ることはなさそうだなと感じたのを覚えています。
単独行動の駐在妻のメリット
ここからは私が実際に1年間過ごして、海外で単独行動をするメリットを4つご紹介します。
- 自分の時間を確保できる
- 予定を組みやすい
- 語学を使う機会が増える
- 誰かと比較されない世界を味わえる
ここで紹介することは私個人が経験して感じていることなので、状況や環境で個人差があるかもしれません。
また私のように、完全に単独行動が難しい方がいるのも理解はしています。
ですが単独行動はメリットもあるので、コミュニティがちょっと苦手と感じる方はうまく距離感を保ちつつ単独行動できる日も作ってみてはいかがでしょうか。
自分の時間を確保できる
1つ目のメリットと感じているのは、自分の勉強に集中できることです。
私は帯同と同時に中国語の資格を取るため、休職しています。
会社に復職する手前中国語を勉強しないわけにはいかないので、自分の時間を確保するのは私にとってかなり重要です。
もちろん子どもがいない夫婦なのでグループとのおつきあいがあったとしても、全く時間がなくなると言うわけではありません。
ですが、自分のやりたい時に自分の時間が取れるのは非常に良かったと感じています。
人間関係の構築などには一定の時間と労力が必要ですし、自分の性格を考えると狭いコミュニティの中でうまく立ち回る自信がないのであえて単独行動を選んでいます。
予定を組みやすい
2つ目は興味が移ろいやすくやる気がある時とない時が激しい性格なので、自分のペースで動ける方がメリットが大きいです。
突然外出したくなったり、家で寝ていたくなったりと浮き沈みがある私には、やはり人に四六時中合わせるまでの余裕はないと思いました。
海外に移住した後はやはりある程度生活やペースを作るのにも時間がかかるので、併せて誰かに気を遣いながら基盤を整えるのは難しい気がしました。
この記事を見て「この人は子どももいないし自分の時間もあるのに、さらに気ままに動きたいなんてワガママだな」と感じられている人もいると思います。
私は中国に夫の帯同と合わせて、自分のスキルアップのためにやってきました。
自分が決めた目的に沿ってただそれを叶えるために行動しているだけなので、私はこの状況がワガママだとは思っていません。
むしろこれくらい強い気持ちでいなければ、仕事を休職した帯同生活はやってられません。
何でもいいと思いますが帯同生活は何の強制力もない海外生活なので、強いモチベーションがなければ前向きに続けることは難しいと思います。
語学を使う機会が増える
3つ目のメリットは、現地では1人でやらなければならないことが多いので、習った語学を使う機会が増えること。
駐在妻の方の中には、何年も住んでいて言語ができる人も少なくありません。
私も最初は中国語がペラペラな先輩駐在妻さんにお声がけいただき、一緒に外出して街を案内して頂いたことがあります。
色々と現地のことを教えてもらったので、すごくありがたかったですし心強かったです。
でも常に語学が堪能な方とおつきあいしていたら、1年でHSK4級を受けるまでの中国語のレベルにはなっていなかったのでは?とも思いました。
あえて一人で行動することで頼れるのは自分だけ、という状況を作れたのが中国語の上達にはとても役に立ちました。
最初は勇気も必要ですが現地で行動する経験値が増えると、さらに勉強のモチベーションにもなって良いサイクルを作れたと思います。
そんな経験やスキルも帯同したからにはつけたいと考えていたので、あえて厳しい環境に身を置くのも成長には必要だったと感じています。
誰かと自分を比較しない世界がある
正直、海外で単独行動をして最も良いメリットだったかも…と感じているのは、単独行動であるがゆえに誰とも比較しない、されない世界にいられること。
日本にいた時は、
「自分より同期が先に昇進した」
「自分より誰かが先に結婚した」
と結構人と自分を比べて、妬んだり悔しい気持ちになったり…としていました。
人と比べることで自分の気持ちがザワザワして、それにさらに落ち込むこともありました。
単独行動をすることによって、他の駐在妻や人の旦那さんのことを知ることもないので、かなり快適に生活できています。
寂しくない?単独行動駐在妻のデメリット
単独行動だとよく寂しくないか?と聞かれますが、単独行動をして感じるデメリットをここから2つご紹介します。
- 1人ランチが難しいお店がある
- 夫の不在時にちょっと寂しい
1人で外食するお店が限られる
1つ目は1人で外食をしようとした時、量が多く1人ランチが難しいお店があること。
中華はちょっと良さそうなお店だと、量が多い大皿料理中心なレストランがあります。
1人で食べに行こうにも量が多く、品数も食べれない上にコスパが悪いのでその辺りが難点だなと思います。
お店の開拓は土日に夫と外食する機会がほとんどなので、数は限られてしまいますね(笑)。
夫の不在時に寂しさを感じる
2つ目は夫が長期出張する時は、1日中一人なので少し寂しさを感じるのがデメリットで挙げられます。
ただ出張といえど頻度は多くて1ヶ月に1回、1週間ぐらいいないだけなので、その間は食事作りをだいぶサボってやりたいことをしています。
1人でもやりたいことはたくさんあるタイプなので、なんだかんだ1週間も普段通りに過ぎていってしまいます。
むしろ夫がいないので、普段より集中できているのかも…?(笑)
こんな人は単独行動が向いているかも
私の状況を考えると同じ状況の人であれば単独行動でもさほどデメリットを感じず、帯同生活が送れるのではないでしょうか。
- 子供がいない
- 外国語の習得を目指している
- 1人の時間が苦にならない
私の場合は子どもの友達を考えたママ友付き合いなどが一切ないので、単独行動をしていても問題が出ないのだと思います。
大人1人が生活するなら、1人でいたとしても性格には影響しませんし。
また1人の時間にやりたいことがある、自分1人でも行動するのが苦ではない人は単独行動の駐在妻生活に向いていると思います。
帯同して家族の生活が始まっても、夫は仕事に行かなければいけないのでほぼ1日を一人で過ごすのは避けられません。
その時間をどう過ごすのかで帯同中に得られるスキルや能力も変わってしまうのかな、と感じます。
こんな人は単独行動駐在妻はおすすめできません!
逆に、単独行動の駐在妻には向かない人もいます。
次のような方々は、単独行動をするとかえって不安を冗長したり、寂しさを感じてしまうかもしれません。
- 子育て中
- 帯同するのに不安が大きい
- 帯同している間の目標がない
子育て中の人
1番の単独行動が向いていないのは子育て中の方、特に子育てにもどかしさを感じている人だと思います。
海外駐在員の子育てはワンオペ育児になりやすく、育児を手伝ってくれる両親とも離れて暮らさなければいけない状況。
当たり前ですが海外駐在員に育休はありませんし、海外拠点にいることから出張も多くなり1週間など家を開けることも多いので夫の子育て参加は休日以外はほぼ期待できないでしょう。
日本では働き方改革と言われて力を入れていますが、現地法人は日本の本社とは別会社と捉えられて、働き方改革のかなり外側にいる印象です。
そんな中たった1人で異国の地で子育てするなら、ずっとグループ行動はしなくても、現地での子育て経験者の知り合いは作るべきだと思います。
帯同する不安が大きい
帯同に前向きになれないまま帯同してきた人は、精神的に不安定になりがちなので、1人行動が不安を助長させることになるかもしれません。
帯同前は誰しも不安を感じると思いますが、「まぁなんとかなるか」と思えれば帯同生活も楽しいものになる要素が大きいと思います。
逆に不安が強すぎて夜も眠れなかったり、現地にあまりにも合わないなどの人は、話を聞いてもらえたり同じ経験をしている人と友達になった方が良いと思います。
誰かに自分の思いを聞いてもらえればずっと気持ちも晴れますし、先輩駐在妻の人がどうやって同じ問題を乗り越えたかなど聞くことができますよね。
駐在妻は孤独になりがちなので、気を病んでしまう人も少なくありません。
そんな時に一人でいることは精神的にもっと自分を追い詰めることもあるので、気晴らしが一緒にできる友達は絶対に必要です。
帯同している間の目標が決まっていない人
1人で行動することはある意味自分との戦いなので、セルフコントロールが重要です。
気ままな生活はいいですが、現地で1人行動ができないと時間は余る、やることはない…などで逆に気持ちが萎えてしまう人もいるようです。
そういった人は周りの刺激を受けると自分の目標が見つかったり、新たな趣味を見つけられることもあると思いますよ。
海外での単独行動はできるが向き不向きもあるので注意!
夫の海外赴任で帯同している駐在妻の単独行動は可能だけど、向き不向きもあります。
私の場合は1人でもほとんど寂しさを感じることなくこの1年間過ごしてきて、自分の成長を感じているので今の生活にデメリットはあまり感じていません。
ただ子育て中の人、帯同に不安がある人など周りからのサポートが大きな心の支えになるであろう状況にいる人は、単独行動が帰って心の隙間を作ってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
もちろん自分に合わない人と無理に付き合う必要はないと思いますが、数人でも気の合う友達を見つけておくと、何かの時に心強い味方になってくれると思いますよ。